2018.11.30

沖縄と日本

昨年(2017年)の年間観光客数がハワイを抜いた沖縄で,今年の9月,県知事選があり,普天間基地の辺野古への移設反対を唱え続けて逝去された翁長前知事の後継者として立候補した玉城デニー氏の圧勝となりました。
今回は,この基地移設問題について取り上げてみます。
この問題については,とかく政治性が強いとの見方から,われわれ弁護士の間でも距離を置こうとする向きがないではありません。
しかし,沖縄県民の置かれている実情を具体的にイメージしてもらえれば,極めて重大な人権侵害が続いているといったら言い過ぎでしょうか。
深入りは避けますが,今年の6月,東京都文京区議会では「辺野古新基地建設中止請願」が採択されましたので,その内容をご紹介します。
沖縄,特に基地問題にはわが国の憲法が掲げる基本的人権の尊重,国民主権,戦争放棄といった理念がいかに尊いものかを改めて気づかせてくれるものと思います。

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東京都文京区議会「辺野古新基地建設中止請願」

【請願事項】 沖縄の「辺野古新基地」建設中止を国に求めること。
【請願理由】 沖縄にある米軍基地の大部分は、米軍占領下で造られたものです。
米軍基地の集中に伴い、婦女暴行などの刑事犯罪が頻発し、加えて、ヘリコプターの墜落事故なども続発しており、沖縄県民の生活・安全が脅かされています。
このような状況下で、沖縄県民は辺野古の新基地建設に反対しています。
理由は、
①沖縄にとって命の源ともいえる海を埋め立てることは認められない。
②米軍基地は日本の防衛のためのものであり、その負担は全国で平等に負うべきである。沖縄だけへの押し付けは差別である。
③辺野古新基地は普天間基地の代替だと政府は言っているが、強襲揚陸船の係船護岸や弾薬庫などを備えた新基地であって代替基地ではない。    などです。
わたしたちは、この沖縄県民の辺野古新基地建設反対の理由に賛同いたします。
また、沖縄県民の反対を押し切っての新基地建設は、地方自治・民主主義の精神にも反すると考えます。これらの理由から、辺野古新基地建設は中止されるべきだと考えます。
わたしたちのこのような請願の理由にご賛同いただき、下記請願を採択され、政府並びに関係省庁に対して要望書を提出していただけるよう要請いたします。
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(文責:金城)